軟部外科・腫瘍

口腔内扁平上皮癌

発生した部位によって手術等の治療の仕方が異なります。
写真のように下顎にできた場合は、下顎を手術で切除し、場合によっては、術後、抗癌剤を投与して再発を防ぎます。
片方の下顎がなくなっても、動物はうまく適応して生活できることが多いので、オーナー様とよく話合って
どうした方がいいのかを決めてゆきます。


下顎に認められた扁平上皮癌のCT像
(検診センターにて撮影)

移行上皮癌

前立腺の移行上皮癌の肺転移


胸部CT像(横断面)

胸部CT像(縦断面)

胸部CT像(3D)
(各CT像:検診センターにて撮影)

心臓腫瘍

最近、元気がない、息切れをするという主訴にて来院することが多く、レントゲン検査、心エコー検査により心嚢水の貯留と同時に心臓に腫瘍をみとめることで診断されます。
心嚢水の中に腫瘍細胞がこぼれ落ちていて、腫瘍の種類が確定診断されることもありますが、腫瘍細胞が見られず、確定診断されないことの方が多いかもしれません。
心臓腫瘍の特徴として、貯留した心嚢水によって心臓が締め付けられることによって心タンポナーゼという心不全をおこして、急激に具合が悪くなり亡くなってしまうリスクがあるということです。
腫瘍の発生した場所によっては、手術で切除することも可能ではありますが、限定的です。


レントゲン検査(DV)心臓壁にできた腫瘍
丸く重度に拡大した心臓

レントゲン検査(RL)
丸く重度に拡大した心臓

心臓超音波検査
(黒色部が心臓の周囲に貯留した心嚢水)

心臓壁に認められた腫瘍

穿刺により採取された血様心嚢水
 

脾臓血管肉腫

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摘出手術
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摘出した脾臓腫瘍
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摘出した脾臓腫瘍
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摘出した脾臓腫瘍

悪性度の高い腫瘍で、転移しやすい。診断時にはすでに転移していることが多いため、予後不良となることが
多い。肺、心臓、肝臓に転移しやすいのだか、レントゲン検査や超音波検査ではある程度の大きさにならないと、検出できないため、術後、抗癌剤を投与する場合もある。今のところ良い抗がん剤が見つかっていないのが、現状です。良性の他の脾臓腫瘍もあるため摘出したものを病理組織検査して確認する必要があります。血管肉腫ではなく他の良性腫瘍であれば完治します。

 

異物誤飲

動物は、時にはとんでもないものを飲み込んでしまったり、食べてしまったりします。
自宅にハイハイ時期の人間の赤ちゃんがいると思って、動物の環境を整えてあげてください。

症例

まち針を飲み込んだため来院

身体検査 特に異常なし
血液検査 血液検査特に異常なし
レントゲン検査 レントゲン検査待針が咽頭内に
みとめられる
診断 待針の誤飲
治療 全身麻酔下にて内視鏡にて摘出

内視鏡で摘出した糸つきまち針

 

子宮蓄膿症

避妊手術のしていないメスの犬や猫、時にはハムスターにも診られる病気です。
治療には、一般的には手術にて膿で腫大した卵巣・子宮を摘出します。発見が遅れると、敗血症から腎不全、DICなどになり、亡くなってしまいます。

症例

元気食欲がないため来院

身体検査 身体検査発熱
血液検査 血液検査白血球の増加
CRPの上昇 脱水
レントゲン検査 レントゲン検査子宮の腫大      
腹部超音波検査 子宮蓄膿症の疑い
診断 子宮蓄膿症の疑い
治療 治療卵巣・子宮摘出術
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子宮蓄膿症の手術中の写真

脱水と高齢のため点滴により、状態を改善してから手術をおこなった。
子宮蓄膿症は、通常、早期に手術を行えば完治する病気であるが、発見が遅れると、敗血症によるDIC、腎不全等をおこし手術をしても死亡してしまう。今回は発見が早かったために、順調に回復し完治した。

 

膀胱結石

膀胱内に結石が認められるものをいう。
リン酸アンモニウムマグネシウム(ストラバイト)、シュウ酸カルシウムが一般的であるが、シスチン、尿酸アンモニウム、シリカなどができることも。レントゲン検査で大部分は写ってくるが、レントゲンに映らないものもあるため、超音波検査も必要です。 

○症状

・頻尿
・血尿
・おしっこが出にくい、出ないなど

○診断するには

身体検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査など。

○治療

大きなものは手術。
ストラバイトだけは内科的に溶かすことができるため小さなものは処方食などで治療。


手術で摘出した
シュウ酸カルシウム結石

手術で摘出した
尿酸アンモニウム結石

尿検査で認められた
ストラバイト結晶
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